原因不明の肩痛、五十肩、肩腱板断裂、反復性肩関節脱臼、変形性肩関節症、肩の外傷などに加えて、テニス肘、野球肘、変形性肘関節症の疾患に対して専門的な診断・治療を行います。MRI等の診断に必要な精密検査は提携病院や近隣の施設に依頼しています。
肩・肘関節の手術項目頸部痛や肩凝りは様々な要因によって引き起こされます。
頭蓋骨を支える頸部~肩周囲の筋肉の過緊張。最近ではPC、スマートフォン、タブレット等の長時間使用も原因となっています。
頚椎の椎間孔を通る神経根が圧迫されたり、頚椎ヘルニア等が原因で症状が起きます。
思春期や女性で肩関節不安定症がある際に肩甲骨周囲筋の筋疲労が強く、慢性的な肩凝りが起きることがあります。
動脈疾患、心疾患、感染症等が原因で頸部~背部痛が生じることがあります。
50肩だけではなく、様々な原因があります。
原因は様々ですが、40代以降に多く、肩関節内、周囲の筋・組織に炎症を起こし、全方位的に可動域が悪くなってしまいます。安静時痛・夜間時痛もあり、親善経過で改善することもありますが、診断を明確に行い、注射療法・薬物療法・理学療法が必要となります。
外傷や重労働、スポーツが原因での肩腱板損傷が起きた場合、動作時痛が強く、引っかかりや腕の挙上困難が特徴です。注射療法・薬物療法・理学療法での効果がない時は、関節鏡手術が必要なこともあります。
肩関節の軟骨が変性して破壊が進行している状態が、変形性肩関節症です。軟骨がすり減って少なくなると肩の動作によって負担がかかって炎症状態になったり、骨が変形したりします。
肩関節は体重による負荷がかかりにくいため、発症頻度は股関節や膝関節などより少ないとされています。
しかし、脱臼や腱板損傷などがきっかけとなって靱帯や関節軟骨が損傷を受けることで変形性肩関節症が発症するケースはあります。1度でも損傷を受けた軟骨が完全に回復することはないため、放っておくと症状は進行してしまいます。疼痛、可動域制限が強い場合は人工関節置換術の適応となります。
外傷や変形にて肩鎖関節にある関節円板が破綻すると、動作時痛が生じます。
急性期の肩鎖関節脱臼、鎖骨遠位端骨折等は手術適応になることもあります。
40~50歳代の女性に多くみられます。肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事によって起こる肩の疼痛・運動制限です。巨大な石灰にて経過不良の際は関節鏡手術の適応になります。
頚椎ヘルニアや筋委縮性頚椎症等の頚椎疾患にて肩周囲痛・上肢挙上困難が起きます。自然軽快しなければ精密検査が必要となります。
スポーツ中の外傷などを契機として肩関節の脱臼が起こり、それが癖になって軽微な外傷でも肩が外れるようになってしまった状態を言います。
スポーツ活動中だけでなく、ひどくなると日常生活や寝がえりでも外れてしまうこともあります。肩関節(肩甲上腕関節)内の関節上腕靭帯という靭帯が、関節窩という受け皿から剥がれたり伸びたりしてしまって、靭帯として正常に機能しなくなった状態です。根治的には関節鏡手術が有効です。
肩不安定性が前方、後方、下方のいずれにも起きたものです。前方あるいは後方の不安定症の症状に下方不安定性の症状が加わります。下方不安定性の症状としては重いものを持ったり、腕が下に引っ張られるようなストレスが加わると肩関節が下方に亜脱臼し疼痛や違和感が生じます。
不安定性の軽いものは投球をひかえて肩を休めてあげることや肩のリハビリテーション(腱板、肩甲骨周囲筋訓練)が有効です。
特に外傷もなく生まれつき、肩関節の柔軟性が高い場合に、投球や重労働等で肩痛が生じることが多く、肩のリハビリテーション(腱板、肩甲骨周囲筋訓練)が有効です。
頚部痛や肩こりと思っている患者様の中にも、上腕から手指にかけての痛みやしびれを伴うことがあります。これは頚椎の中を通る頚髄や神経根の症状が発生しているためです。神経症状が出現する代表的疾患に頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症などがあります。
麻痺の進行により症状が異なります。初期は小指と環指の一部に痺れた感じがでます。麻痺が進行すると手の筋肉がやせてきたり、小指と環指の変形がおきてきます。肘部管症候群とは、肘で尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって、生じる神経の障害をいいます。
初期には示指、中指が痺れ、痛みがでますが、最終的には母指(親指)から環指の母指側の3本半の指がしびれます(正中神経の支配領域)。急性期には、この痺れ、痛みは明け方に強く、目を覚ますと手がしびれ、痛みます。手を振ったり、指を曲げ伸ばしすると痺れ、痛みは楽になります。手のこわばり感もあります。ひどくなると母指の付け根(母指球)がやせて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。縫い物がしづらくなり、細かいものがつまめなくなります。
手関節の背屈動作や前腕回内位で前腕伸筋群に連続的に負荷が持続し、前腕伸筋腱の付着部である上腕骨外上顆に炎症、時に腱の微細損傷をきたすものです。医学的に筋腱付着部症(enthesopathy)と呼ばれています。テニスのバックハンドにて良く発症することからテニス肘と呼ばれていますが、スポーツ以外でも、仕事や家事などの負担増大などでもおこる、非常に多い疾患です。
原因がはっきりしない加齢に伴う一次性の変形性肘関節症と、何らかの原因で生じる二次性の変形性肘関節症があります。二次性の原因には骨折、脱臼(だっきゅう)などの外傷や、野球などのスポーツや、大工仕事などで過度に肘を使用することによって生じるものがあります。長時間の作業やスポーツなどで無理をした時などに肘関節に痛みが出ます。痛みの軽い場合もありますが、変形が進行するにつれて関節の動きが制限され、肘が完全に伸ばせなくなったり、洗顔や食事に支障が出たりします。変形に伴い肘の内側で尺骨(しゃっこつ)神経の圧迫による麻痺を生じ、手の力が入りにくくなったり、小指と環指(かんし)(薬指)にしびれなどが生じたりすることがあります。
スポーツや肉体作業などの無理な体勢によって発症する筋膜や筋肉の損傷は、いわゆる肉ばなれです。腰部においては腰部傍脊椎筋の損傷によって引き起こされる腰痛症です。慢性の症状は、主にオーバーユースによる疲労や筋損傷の遷延治癒が原因で、適度な休養や運動や作業前後の十分なストレッチが必要です。このオーバーユースによる症状として傍脊柱筋(背筋)の筋緊張が強く筋肉に沿った痛みが認められます。下肢のシビレや筋力低下、知覚障害などの神経症状、レントゲンでみられるような骨の変化はありません。
腰椎の上関節突起・下関節突起からなる椎間関節に由来する腰痛で臀部痛や時には下肢のシビレや下肢痛を伴い腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別が必要である。同一姿勢で症状は悪化し、軽く姿勢を変えるなどで軽減することが多い。朝起床時に痛みを訴えることが多く、動いているうちに痛みは軽減傾向がある。腰椎の後屈動作にて痛みが増強することが多い。
クッションの役目をしている椎間板が圧力を受けることで椎間板内圧が上昇し、初めは腰痛がでて、その後罹患部位の下肢のシビレや痛みが出現してきます。下肢にかけて電気が走るような激痛が出現することもあります。30~40歳代の若年者に発症することが多いです。腰痛よりも下肢のシビレや痛みなどの下肢症状が主となります。治療方法としては消炎鎮痛薬などの内服やコルセットなどの装着、腰椎牽引などの理学療法、さらに症状が続く場合は硬膜外注射や神経根ブロック注射があります。
骨粗鬆症を基盤に脊椎椎体の圧迫骨折に起因するもので、身長の縮み、円背や亀背などを呈する。背中が曲がることで現れる背骨の変形で骨性の痛みがより発生しさらに次の圧迫骨折の原因となり悪循環をきたすこともある。胸背部痛は慢性に進行する椎体の微小骨折や骨組織の支持性の低下、脊柱変形に伴う腰背部筋群への負荷の増大の結果と考えられる。
腰椎の内部の脊髄神経の通路である脊柱管が狭くなることにより、神経が圧迫される病態です。加齢に伴い骨棘の形成や靱帯の肥厚など脊柱管内の構築が変化することが原因です。歩き始めは特に下肢のシビレや痛みなどの症状は強くないですが、しばらく歩くと痛みのため歩くことができなくなります。しばらく休憩することで症状が緩和され前屈位をとると症状が軽減されやすいです(間歇性跛行)。神経を圧迫するような姿勢(後屈位)を避け、症状が出る前に休憩をとったり、杖や手押し車、コルセットを使う方法があります。薬物療法では消炎鎮痛薬や血流改善薬があり、牽引治療や温熱慮法なども併用して症状を緩和させます。痛みが強い場合は硬膜外注射や神経根ブロックが適応となります。
閉塞性動脈硬化症は、下肢の血管の動脈硬化が進み血管が細くなったりつまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のシビレや痛み、冷たさが自覚されます。さらに病状が進行すると、安静時にも症状が現れることがあります。下肢の筋肉は、運動をすることでの通常の10倍程度の血液量を必要としますが、動脈硬化になると血管が詰まって必要な血液量が不足します。その結果、筋肉内に乳酸などがたまりそれを下肢の痛みとして感じます。
膝関節の関節軟骨がすり減ったり骨の変形が生じたりする疾患です。加齢に伴うもの(退行性)と膝関節周囲の骨折やなどのあとで発症するもの(外傷性)があります。中年以降の女性や肥満の方に多く年齢とともに頻度は高くなります。病状初期には歩行のはじめに痛みを自覚し、長時間や長距離の歩行、立ち仕事の後などに痛みがより増強し、歩行障害となって徐々に日常生活が制限されます。膝の裏(膝窩部)の痛みが関節後方の関節包や膝周囲筋肉の拘縮により発生します。関節内の炎症が発生すると関節水腫(水が貯まる)が起こることもあります。
膝(ひざ)に体重がかかる時や膝の曲げ伸ばしをした時に痛みが見られ、膝関節の動作時に「違和感がある」、「ひっかかり感がある」、「一定以上に曲げ伸ばしができない」といった可動域(動く範囲)の制限、可動域の減少が見られるのが特徴です。あぐらの姿勢や和式トイレの時の姿勢など膝関節を十分に曲げると痛みが増強することもしばしば認められます。
変形性足関節症は、加齢やケガ、炎症など、さまざまな原因により足関節(足首)の軟骨が摩耗(すり減った)病態です。最終的には軟骨が消失し骨と骨が直接こすれあうようになり、痛みや機能障害が増大していきます。
足関節捻挫はスポーツ現場ではしばしば発生する代表的疾患です。しかし、足関節捻挫は肩関節の腱板損傷や膝関節の前十字靭帯損傷のように選手生命を直接的に脅かす外傷ではないため軽視される傾向にあり再発率も非常に高くなっています。受傷機転として足関節を底屈して内側にひねった状態で、足の甲の外側に体重をかけた時に起こるのがほとんどのケースです。
足底筋膜炎(そくていきんまくえん)とは、足の指の付け根から踵まで、足の裏に膜のように張っている腱組織・足底筋膜に炎症が起き、小さな断裂を起こして痛みをもたらす病気。多くはかかとの骨の前あたりに痛みが起こる。主に40~50歳代以上で発症するが、若い世代でもスポーツ選手などに多い。
幼児のころから足裏が平べったく、大人になってもそのまま残っているタイプの扁平足では、痛みはあまりありません。これに対して中年以降に発症する扁平足では内側のくるぶしの下が腫れ、痛みが生じます。初期には足の扁平化は目立ちませんが、しだいに変形が進みます。つま先立ちがしにくくなり、さらに進行すれば足が硬くなって歩行が障害されます。